私の中で男になって
こんなムードある展開になってきたとき翔君から衝撃発言があった


「ここまでしといてあれなんだけどさ、俺、ゴムとか
持ってないんだけど…。」

“あれ”って何よって言いたいくらい私はあきれた

ここの状況だけ見れば翔君は悪質なプレイボーイと大
差ない

一瞬ムードもぶち壊されて、興ざめしそうになったけ


きっと翔君のことだから単純にこういう展開になるこ
とを前もって予想したりしなかっただけだろうし

してたとしても薬局に行くのを忘れてたり

買うのを恥ずかしがってるうちに当日になっちゃった
り、

きっとそんな事だろうとわかってたから許すしかなか
った



「私が持ってるから。」

私はあまり翔君と目を合わせないように言った

自分が怒ってしまってるような気もしたからだ

「すいません。」

ちょっと謝った翔君は首を傾げて私に“いい?”とで
も言いたげな目で見た

私は“うん”とも“いいよ”とも言わないで顔を近づ
けてキスをまた初めて翔君に返事をした






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