あめのちはれて。

晴天、ですね

私はあのあと固まっている蓮を残し、1人で学校に来たわけで。



「おはよ!!美里!!ってあれ?蓮君は?」


鈴羽はいつも通り私に駆け寄ってくるが、隣にいるはずの蓮がいないことに驚いたようだ。





「さぁ…知らないけど。」





私がそう言うと鈴羽はいきなり私の肩を掴み叫ぶように言った。








「私がなんのためにアンタと仲良くしてやってると思ってんの!?
いつも教室で1人ぼっちのアンタに折角話し掛けてあげたんだから、蓮君と私を近づけるとかそういう努力したらどうなの!?」










「………。」









あーあ本性でちゃったよ




周りからの視線に気づいたのか








「わ、私たち親友でしょ?
親友の恋、応援してよっっ!ね?」






先程の態度はどこへいったのやら






「ねぇ鈴羽」





「ん?なぁに??」






何もなかったかのような笑顔を向けてくる。





その笑顔、壊してやる









「私はさ、アンタに話し掛けてと頼んだ覚えもないし、親友だと思ったこともないよ。
蓮と鈴羽を近づける?
私に近づけてもらはないとダメな女なんか蓮は相手にしないよ。」






彼女の顔がどんどん青ざめる。









と、いきなり頬に衝撃が走った







「最っ低」







あぁ、叩かれたのか。






鈴羽は走ってどこかに行ってしまった。








「…藤岡さん、大丈夫?」






叩かれたところを見た女子たちが私に駆け寄ってきた。







「………大丈夫だよ。ちょっと痛いけど。」






私はできるたけ笑顔でそう言った。








窓から見える空には雲が1つもない晴天だった。