夜空に咲く花火の下で
「大島、無駄口をたたく余裕があるんだな。で、俺がなんだって?」
ジロリと目を細め聞いてくる。
「えっ、それは私が言った訳じゃ……」
言い訳しようにも何て言えばいいのやら。
もう、馬場さんのせいでとばっちりじゃん。
林チーフだって私が言ってないことは分かってるくせに、こうやって意地の悪いことを言う。
それで私が焦っている姿を見て楽しんでるんだから。
そんなんだから性格が歪んでるとか馬場さんに言われるんだよ。
「まぁいい。早く帰りたいなら、さっさと手を動かせよ」
「はい」
帰り間際に林チーフが頼まなきゃ早く帰れたんですけどね!
とは、口が裂けても言えない。
ため息を吐きパソコン入力を始めた。
*****
ふと気付いた時には、みんな早々と仕事を終わらせて帰っていて、残業しているのは私と林チーフだけになっていた。