夜空に咲く花火の下で

花火大会か……。

あ~、艶々光る真っ赤なリンゴ飴が食べたいなぁと机に右頬を付けたまま目を閉じる。


花火大会やクリスマスとかそういうイベントがあるたびに彼氏が欲しいなと思ってしまう。


大島真琴、二十三歳。
私にだってそれなりに彼氏はいた。

大学時代、年下と付き合っていたけど、私が去年就職してからすれ違いが続き向こうが浮気しあっけなく別れた。
それ以来、刺激も何もない寂しい生活。

そんな私にも気になるというか憧れている人はいる。



林チーフこと、林政孝、二十九歳、独身。

学生時代は野球をやっていたらしく、髪が長いのは嫌みたいで黒髪の短髪だ。
目は切れ長で鼻筋の通った高い鼻。

ワイシャツを捲った時に見えた腕の筋肉に目が釘付けになった。
スーツの下に隠された身体はどうなっているんだろうと邪なことを考えたこともあったのはここだけの話。


とにかく、何かと目で追ってしまう存在だ。

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