【短】俺とあの人~狼の恋~
俺に気づいたあの人は、驚いた顔で小さな手を口にあてた。
「高橋君…」
「どうして…?どうしてここにいるの…?」
俺はわからなかった。
あんたにとってここはいやな場所だろ?
俺に会わないために避け続けていた場所だろ…?
俺が潤んだ瞳を見ると、あの人の顔が赤く染まっていった。
なんだよこれ‥
これじゃまるで
初めて会った時と同じじゃないか…。
「俺のこと…嫌いじゃなかったの?」
俺の質問に、あの人は泣きながら首を横にふった。
そして、あの人が震えた声で言ったんだ…
「ずっとあなたを好きでした…」
俺はその言葉を聞いてあの人を抱き締めた。