【短】俺とあの人~狼の恋~
「なんだよ…俺、あんたに嫌われてると思ってた」


「嫌いじゃないよ…。好き‥だよ」


「じゃあ、なんでここに来なくなったんだよ…」



俺はあの人を抱き締めながら潤んだ瞳を見つめた。



「あなたがこわかったの…」


「こわい?俺があんたを襲うから?」


あの人は真っ赤な顔で首を横にふった。



「すきって…言ってくれないから」





好きって言ってない!?

あんたはそんな言葉を聞いてないだけで不安になってたのか!?



俺はこんなにあんたを好きなのに…。



ずっと、ずっと

あんたのことしか考えてなかったのに…。




「ここに来るのが怖かったの。
あなたがいなかったらどうしようって…。
それに…私達は教師と生徒だから…」




俺はあの人を力いっぱい抱きしめた。



「ごめん…ごめんな。
不安な思いさせて…。
たくさん苦しめて…。
俺、自分のことしか考えてなかった。
あんたがこんなに苦しんでたなんて思いもしなかった」




あの人の小さな手が俺の背中を抱き締める。


俺はあの人の潤んだ瞳を見つめてキスをした。









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