【短】俺とあの人~狼の恋~
あの人の声と吐息が耳にかかり、俺はドキッとした。



俺、なんでドキッとしてんだ!?

俺がどうして焦らなきゃならねえんだ!?



おかしい。

俺、あんたに会ってからおかしくなってる。



どうして自分のペースでいられないんだ…。





あの人は顔を赤くしてすぐに俺の前から去った。





俺はその後ろ姿から目を逸らせないでいた。


肩まで長いストレートの髪が、恥ずかしそうに揺れているのを黙って見ていた。






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