鬼

普段と何も変わらない朝

「ひろ！おはよう！」

「おー、おはよ！！」

K県立樫川高校の2年自転車置場で、俺は偶然会ったクラスメイトと適当な挨拶を交わした。

俺は宏樹って名前だから皆からはヒロって呼ばれている。

目の前にいるクラスメイトの長谷川純希(ﾊｾｶﾞﾜｼﾞｭﾝｷ)もその一人だ。

純希はサッカー部で、とにかく元気が取り柄なやつだ。
勉強は俺と同じくらい、結構できる方。(さりげなく自慢を挟んでしまった)
純希は元気すぎるくらい元気で、クラスのムードメーカー的存在だ。
その上、イケメンで誰にでも優しいから、誰からも好かれている。
女子からの人気もなかなかだ。

「今日抜き打ちテストがあるかもしれないらしいぞ！さっきA組の奴に聞いた！！！」
「マジかよ～、勘弁だわ、最近バスケ部終わるの遅いから勉強とかなんにもしてねー」

純希と話していると後ろから

「おはよー！！」

と、親友の陽介が飛びついてきた。