涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


急に緊張感が増して、箸を二度も机の上に落とした。



「ふは!きょどりすぎやから!」


「っ…だって……っ!圭都が私のこと好きやとは思わんやったから……っ」


「ぷっ!自分で言わんでよ!俺に言わせろよ」



……しまった。墓穴掘った。


赤くなる私に圭都が最大限からかってくるのがもう本当にむかつくっちゃけど。


あ〜っ、もうやだ!



「そういうとこが可愛いんよ、マジで」


「は!?」



いきなりなに言い出すん!?



「無意識っつーの?そういうの、マジで好き」



目の前にいるのが、なんだか圭都じゃないみたいで、なんだか本当に調子狂っちゃう。


……こんな甘ったるいの、圭都やない。


バカで、アホで、テンションだけでできてる圭都はいったいどこ……?


たじたじになりながら最後の一口を食べ終えた。



「…はは!うけるねっ」

「やろ?」



笑い合うような楽しそうな声。


レイと真理ちゃんが食堂から帰って来たみたいだった。


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