涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「…あそ……あそぶ?」


「うんっ。サクちゃんムカつくけど、だいすきやけん!」



すっごいニコやかな真理ちゃん。
表情と言葉のギャップがすごい。


ムカつくけど……ね。



「あはは…ありがと……」



清々しいほど素直で羨ましいなぁ。


最初は真理ちゃんのこと苦手やったけど今は好き。



「連絡するけん返事してよ!?サクちゃんラインしてもいっつも既読するだけやもん」


「わかったって…!ありがとう」


「絶対やけん?」



しつこいなぁ。わかったって!



「じゃあね。いこっ、麗矢」


「うん。またな、サク」



目尻をすこし下げてレイが笑った。


夏休みってことは一ヶ月半もレイに会えないってことだよね。


寂しい、かも。



「サク!」



うつむけていた顔を上げた。



「またなって!」


「…っ、うん。また!」



……なに。


返事のさいそく?


可愛すぎるんだけど。


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