涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
この人を好きになりたいと思った。
こんないい人に想われた私は最高に幸せなんやろうなとも思った。
……だけど。
私の心の中を埋めつくしているのは
可愛い彼女がいて、
私のことをただの幼なじみだと思っている、
……レイ。
小さい頃から大好きで、一番で。
辛い時も、泣いた夜も、
なんでもない下校途中の空を見上げても
私が一途に想って来たのはレイだけだった。
レイ以外のひとを私は好きになれるんかな……?
どう考えても、心が「ムリだよ」って言ってる。
心いっぱいに広がるレイへの想いがそう言ってるの。
壊れちゃいそうな、想い。
そっと風船を空に手放すみたいに、
簡単に捨てられたら、
どれだけ楽なんやろうか……?
私も、強く、ならなきゃ。
こんなんじゃダメや。
強く、なりたいけん。