涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


ミーンミーンミーン。

蝉の鳴き声が聞こえて、いつの間に眠っていたのか、目を覚ます。


着替えもせずに部屋のベッドに寄っかかるようにして眠ってしまっていた私。

身体がひどくだるい。


スマホの電源を入れて、それをチカラなく見ると圭都からラインがいくつも来ていた。



『いまどこ?』

『大丈夫や?』

『心配やから連絡ください』



そんな優しい言葉たち。



『ごめんね。私は大丈夫やけん。ほんとごめん』



送信して、すぐ既読になったのを見て申し訳なくなる。


……今、朝の5時半だよ?

起きてたの……?



『大丈夫ならよか!俺こそなんかごめんな?』



涙が、にじんで、スマホ画面から目をそらした。


私は、

私を大切にしてくれている人を


傷つけてばかりやな……


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