涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
あんなにレイのこと好きやったのに。
「真理ちゃん……」
「いい?サクちゃん。遠慮なんかせんでいいっちゃけんね?もう真理と麗矢は終わったんやから、迷わず麗矢の胸に飛び込むべきよ」
「でも……」
「でもじゃないと。両想いなのに二人の邪魔するのイヤなんよ。私を悪者にせんでね?」
真理ちゃんが「ハイ」と差し出した袋。
首をかしげる私に「あげる」と言ってくれた。
少し大きめのそれをゆっくり開けると中からは新しいペンケースと体操着。
……え?
「って、もう十分悪者やけど。サクちゃんもなんとなく思ってたやろ?いじわるしてたんが、真理やって」
「えっ……ううん!!全然思ってなかったよ!!」
本当に。
だから、すごくびっくりしてる。
真理ちゃんが私の体操着とペンケースを……?
「ウソやろ?そんなに鈍いん?」
「鈍くないと思うけど。別にどうでもいいって思っとったけん」