涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


誰が私にこんなことしたのかとか、正直どうでもよくて。

興味が、なかったけん。



「本当に、ごめんなさい」


「謝らんで…!私も真理ちゃんに謝らんといかんことあるし…!」


「え?」



口をすべらせてしまって、思わず口をつぐむ。

真理ちゃんが大きい目をさらに見開いて私を見てる。



「なんのこと?」


「花火大会の日にね…?」


「うん」


「レイと……キス、した……」



言わないでおくべきだと思ってた。

でも、ここまで来たら言うしかない。


それに真理ちゃんがちゃんとしたことを悪いと謝ってくれたから。


私も、言おうかなって。



「なんよ〜。お互い様やんか」


「……だね」


「これでチャラね?お互い忘れよ!」


「うん」



< 160 / 259 >

この作品をシェア

pagetop