涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
ここに引っ越して来てよかったなって、思う。
レイと再会できて、
圭都の優しさに触れて、
真理ちゃんと友達にもなれた。
いい人たちに巡り合ってるよ。
出会いって素敵やね。
夕方の夏空のしたで、背伸びをする。
「またね!サクちゃん!」
「うん、またねっ」
真理ちゃんに手を振ると家までの道を歩く。
田んぼだらけの景色。
上を見たら、夕焼けが綺麗な空。
指をさしたら笑顔がこぼれた。
「……ふふっ」
ちょっとだけ、幸せかもしれない。
胸に広がる温かさを感じながらあぜ道をスキップして帰った。