涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


ニヤケる頬を両手で包んだ。

空はとても晴れていて、すごく綺麗で。


……たくさん苦しんだから、これからはうんと笑いたいんです。


ダメかな?

私が幸せを望んだら。



「サクは、かわいかね」


「……へっ!?」



隣からの視線と言葉。

思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。



「小さい頃から、サクは他の女の子よりずば抜けて美人やなって思いよった」



目を細めて私だけをじっと見つめるレイにドキドキが止まらない。


なん、なん……



「……レイって甘いよね」


「ん?そうか?」


「そうだよ…!調子、狂っちゃう……」



うつむいて、ヒザの上の手をぎゅって握りしめた。

そんな私を見て、レイがくくくと笑っているのが聞こえる。


……面白がってるよ。


睨むと「かわいいよ?」って言われて、また赤面。


あぁ、もうだめだ。

レイには勝てない……


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