涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


私、死ぬまでレイのことが好きで好きでたまらなくて。

一生レイには敵わないんだろうな。



「じゃあね、また明日!」



真理ちゃんと圭都が先に教室を出て行く。


今日は始業式しかないから、お昼で学校は終わり。


私はもう準備できたんだけど、ゆっくりマイペースに帰り支度をするレイをベランダに出て空をゆびさしたりして待っていた。



「帰ろうか」



レイが立ち上がったのは教室には誰も居なくなった頃だった。



「……おそいよ」


「ははっ、ごめんね?サクのこと見てた」


「え……!?」



ゆっくり、焦らすように私に近づいて。

私の髪を絡み取るレイにドキッとした。



「サクは、俺のお姫様」



そっと瞳を閉じて髪の毛にキスをしたレイに、本気で頭がクラクラした。


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