涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
嬉しすぎるとよ。
私の涙をぬぐうレイの手の温もりがダイレクトに伝わって来る。
愛しい温もり。
「…あっ……」
ゆっくり、レイの顔が近づいてくる。
伏し目がちな視線が大人っぽくて、なんだかドキドキした。
唇がふれるまでのもどかしい時間。
ようやく重なった花火大会以来のその感触は、すごくやわらかくて、愛しくて、うれしくて。
……幸せやなって思った。
「緊張しとると……?」
「するよ……っ」
「……ふは!かわいっ」
「んんっ……!」
無意識に離れようとする私の背中に手をやって、強引にも私を離さない。
甘いレイに、私は溺れていくだけ。
大好きやけん。
レイ。
一生、離れないよ……