涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「俺、今……めっちゃ幸せ……」
私を強く抱きしめながら、確かに幸せを噛み締めるように言ったレイの言葉。
「死んでも後悔ないかも」
「ばか……レイに死なれたら生きて行けんけん、死んだら許さんよ?」
「ははっ!……うん。大丈夫」
誰もいない教室のベランダで、恋人になった私たちは何度もキスをした。
……会えなかったこの8年間を埋めるように。
お互いの存在の愛しさを確かめるように。
重なった『すき』という気持ちは、すごく大きな奇跡で。
小さい頃よりも、遥かに大きくなった生まれて初めての恋が
私に、大きな幸せを運んで来た。
……だからレイ?
私を選んでくれてありがとう。
本当に、ありがとう。
さっきレイは幸せだって言ってたけど、私のほうがきっともっと幸せを感じてるはず。
胸いっぱいの幸せを。
君と一緒に感じて。
私は明日からも頑張れる。