涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
〈14〉甘く、感じる愛
あんなに暑かった夏が終わり、気温的にも過ごしやすい10月になった。
「俺のサクを泣かしたら許さんけんな?」
「……サクは東野さんのやなくて、俺のやけん」
レイがカウンターの向こう側にいる東野さんをジトーと睨みつける。
それを見て私と真理ちゃんと圭都がくすっと笑った。
……学校が終わって、みんなでよく太陽のカフェに通うようになった。
「サク、東野さんにはマジで気をつけろよ?」
「わかったって!レイってば、ここに来るたびにそれ言っとるけん」
「だって……」
「はいはい、イチャつくんは俺たちと別れてからにしてくれんかいな?」
レイの隣にいる圭都が水をさす。
はい……と、おとなしくなる私とレイに、そのまた隣にいる真理ちゃんがおかしそうに笑ってる。