涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「サク、レイに愛想尽かしたら俺のとこに来いよ?優しくするけんな?」
「東野さん!まじでやめて!」
……レイが必死になるとうれしくなるのは私だけのひみつ。
東野さんの言ってることなんか全然これっぽっちも本気にしてないのに……レイのばか……
だいいち、私がレイと別れを選ぶわけがない。
「サクちゃん、麗矢!ばいばーいっ!」
しばらくして太陽のカフェをでると綺麗な青空が広がった田舎町。
真理ちゃんと圭都と別れて、私とレイはあの丘に向かった。
階段を上がるときに先に行くレイが手をさしのべてくれて。
……胸が、ときめく。
毎日、毎日。
私はレイに恋をしている。
昨日より、今日、レイが好き。
そして今日より、明日、私はもっともっとレイが好きになる。