涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
私がおばあちゃんになって、レイもおじいちゃんになった頃、心の中がレイへの好きな気持ちでいっぱいいっぱいになって、仕方なくて。
おばあちゃんになっても私はレイに恋してるはず。
……それぐらいなんよ。
本気で好きで、これ以上好きになれる人なんて絶対この世界でいなくて。
間違いなく最愛の人……。
「空、綺麗やなぁー……」
ベンチに腰かけたレイが空をゆびさした。
私もレイにくっつくようにして空を見上げて、自分の人差し指をレイの人差し指にくっつけた。
「…うふふっ」
ふたりともが、同じところを見てる。
……平凡なこんな時間が幸せでたまらない。
「可愛いから、お仕置きします」
「え?…んっ……」
かぶりつくような、キス。
リップ音をわざと鳴らして、離れたくちびる。