涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


ぐうーっと胸の底からやって来た嬉しさに、笑って見せた。


どうしても言葉にできなくて、何度もうなずいた私たちの間を通る風は、優しくて、私の髪を揺らした。


レイと、結婚したい……。


幸せな家族をつくりたい。


結婚して二年は二人で暮らすの。

そして赤ちゃんができて、はじめは女の子がいいな。


三年経ったら男の子も産みたいな。


ケンカしたり、乗り越えなきゃいけないことがあっても、けしてレイの手は離さない。



「レイ……好きだよ……」



私ばかり、言葉をもらってる。

私も言いたいよ。



「好きやけん……っ」



伝えきれない。

大きすぎて、とても伝えられない。


……もどかしい。


片想いだった夏まではレイが欲しくて欲しくてたまらなかった。


なのに手に入った今は
もっと、もっとって……。


欲張りになってる。


こんなん、いかんてわかっとるのに。


どんどん欲張りになっちゃうよ……。


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