涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
ガシャン!!!
缶のペンケースが落ちる音に肩をビクつかせる。
激しく動き出す心臓に、汗を一瞬でかいた。
「サク、大丈夫や?」
レイが私の顔を覗き込みながら背中をさすってくれる。
……発作はまだ出る。
でもレイも真理ちゃんも圭都も、発作のことは知っているし、そばにいてくれる人がいるってだけで
私にはすごく心強かった。
「麗矢くんと咲夜ちゃんて付き合ってるんやー?」
2年生になって3日目。
3時限目の体育の時間に、新しくクラスメイトになった女の子たちと話していた。
体育館でバレーの試合中。
真理ちゃんはコートの中で戦ってるけど、試合をしていない私たちは見学中。
「有名な話やんかね?学年で一番モテる麗矢くんと咲夜ちゃんのビッグカップルってすぐみんなに広まった話やん?」
「そうなんや!知らんやったし!」
「また、この子は……」