涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「俺は中学2年生の時に初めて麗矢と同じクラスになったけど、体育はもう当たり前ように見学しとったからなぁ……」


「真理は小学校からずっと麗矢と同じやけど、真理も理由は聞いたことないねぇ」



仲の良い二人も知らない理由。



「真理はサクちゃんに聞くまで麗矢が病気やったことも知らんやったしなぁ」


「え!?あいつ病気やったん?」


「うん、そうだよ。でももう完治してるんだよね?」



真理ちゃんの問いに静かにうなずいた。


……本当かどうか、もう一度レイに確かめたくなったけど。



「……麗矢って意外とヒミツの多いやつやったんやなぁ」



圭都の言葉に3人が黙り込む。



「なんでもないなら、それでいっちゃん。だけど何か隠してるなら言ってほしいよ……」



言って欲しい。

知っておきたい。
レイのことなら、なんでも。


大好きだから。


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