涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
なんでもないなら、それが一番なの。
でも何かあるなら、教えて?
私は……レイの彼女でしょ……?
「おはよう」
田舎町の朝は空気が澄んでいて肺にたくさん空気を入れたくなる。
……いつからかレイが私の家の前で待ってくれているようになって、
朝の登校はいつも一緒だった。
「……おはよ」
「ん?なんか元気なくね?」
歩きながら私の顔を覗き込むのはレイのクセ。
……距離が近いんだ。
レイのかっこいい顔が近づくたび、私の心はキュンとしてしまう。
「大丈夫?熱?」
「……だっ、大丈夫やけんっ!」
おでこを手のひらでおさえるレイに心臓が飛び跳ね、顔が熱くなる。
心配そうに眉を寄せて……。
レイはすごく優しい私の彼氏。