涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「今日体育あるよね?」
「うん、あるね」
「見学すんの?」
あえて、レイの顔は見ない。
どんな反応してるんだろう。
……気になるけど見ない。
「……サボろうかなぁ」
「なんで?」
「んー、めんどうやけん?」
「本当にそれだけ?」
「どうしたとサク。今日なんか怖いよ?」
……怖い?
怖いのは私のほうだよ……!
レイがもし、まだ病気だったら、私……。
……すごく怖いよ……。
「サク……?」
「レイの心臓は治っとると?」
「……治ってるって言ったやん……」
「本当に……!?」
……やだ。
ケンカしたいわけじゃない。
だけど、止まらない。
「ウソついてるんやないと!?心臓治ってるならなんで発作なんかおきるとよ?なんで体育もいつも見学なんよ!!」
泣き叫ぶように、レイに本音をぶつけた。
レイの左胸を拳で何度も叩く。