涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


私はレイの言葉を信じていいんやね?



「俺、サクのそばにずっとおるからな」


「うん……っ」



レイの言葉を信じよう。


たとえウソでも、レイが私のそばにいてくれると言っているのだから。


信じる他ない。


この時のレイが震えていたことに、本当は気づいてたよ。


ごめんね、レイ……。



「サクちゃんちょっと!あれ……!」



その日の体育の時間。

真理ちゃんがゆびさした先を見た。


えっ……!?


驚いた。
レイが……コートに入ってる。


女子はバレーだけど、男子は激しくバスケをしていた。


その中に、レイが……。


手首をかえしたり、首をグルグル回して準備体操をして。


隣で先生が深刻そうな顔をしてなにかを言ってるけどレイは笑ってなにかを返している。


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