涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


息が荒くなったレイが膝に手を乗せて肩を大きく上下させている。


……大丈夫かな?


そして右手の親指で左胸を押しているのが見えて顔が真っ青になった。


あれは、レイの発作の合図……!?



「サクちゃん!?」


「星野さん!?戻りなさいっ!」



持っていたボールを捨てて真理ちゃんと先生の声を無視して体育館を走り抜けてレイのもとへ向かった。


苦しそうに胸を掴んで、崩れるように膝を地面につけて座り込むレイ。


そして倒れ込んだレイを咄嗟に支えた。



「麗矢!?」



圭都やクラスメイト、先生たちが集まって来る。

私に体重をあずけて顔を歪ませるレイはとても見ていられないぐらい苦しそうにしている。



「レイっ、しっかりして!レイ!!」



……私が責めたからだ。

今日の朝、私があんな話をしたから。


無理して体育に参加させてしまったんだ。


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