涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



「私のこと好きになっても幸せにならんよ?私が好きなのは、レイだけやから」


「わかっとるし。理屈じゃねぇーんだよ、こうゆうことは!簡単に諦められたら苦労しねっつの」



目を見開く私と、そっぽを向いて「なに言わせんだよ、アホ」と、すねる圭都。



「そっか、ごめん」



……でも、ほんと、ばか。

私なんかば、好きになって……。


でも、ありがとう。

圭都の優しさに何度救われたかわかんない。


早く次の恋しなよ?

圭都には幸せになってもらいたいんやから。


私にとって圭都は大切な人、やから。



「じゃあな、また明日」


「うん。送ってくれてありがとう」



圭都にばいばいをして家に入った。


二階の自室に入るとベットに座ってスマホを取り出した。


レイにかけても……いいかな……?

まだ病院かいな?


でも、たまらなく声が聞きたい。


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