涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



「……レイ」



5分、10分と待ってみたけど、レイが来る様子がない。

電話してもラインをしても、繋がらないし返信も来ない。


どうしちゃったの……?

レイの身に、なにかあったとかな……?


もう、遅刻しちゃうよ……。


仕方なく学校に向かって歩き出す。


なんで?

レイ今日学校に来るって、先生言っとったよね?


モヤモヤした感情が胸に広がる。

心配なのと、不安なのと、いきどおり。


……その時。

ポタッ……と私の腕に落ちて来た雫。



「……雨?」



見上げた空が黒いことに、全然気づかなかった。

さっきはずっと洗面台のところにいて天気予報も見てなかったし。


傘なんか当然持って来てない。



「最悪……っ!」



だんだん酷くなって来た雨にかばんを頭の上に持ち上げて走る。


学校についた瞬間にチャイムがなって、遅刻確定。


お風呂上がりのようにびしょ濡れになってしまった。


はぁ、本当についてない……。


仕方なくそのまま教室にむかった。


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