涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


保健室の先生にタオルをもらって、体操着に着替えたけど、どうしても教室に戻りたくなくて気分悪いって適当な理由つけて保健室で休ませてもらった。


どうしてなん……?

どうして急に冷たくなったと……?


レイが、わからんよ。


布団の中でまるまって、ぐるぐる同じことばかりを考えていると、一時限目の終わりを知らせるチャイムが鳴った。



「星野さん?私職員室にいるけど大丈夫?」


「はい……」


「なんかあったら言うとよ?」


「わかりました……」



カーテン越しの先生の声。

適当に返事をしていると扉が開く音と「あら、どうしたの?」という先生の声が聞こえた。


誰か来たの……?



「星野さんの様子を見に来ました」



その聞き慣れた低い声にドキンッと胸が高鳴る。


レイの、声だ……。



「サク?入るよ……?」


「う、うん……っ」



うわずる声に、すこしだけ緊張した。


……どんなに冷たくされてもやっぱり私はレイが好きだ。


この気持ちはなくならないし、


この気持ちが、私のすべてだと言い切れる。



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