涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
お願いやから、あんまり根掘り葉掘り聞かんでよ。
傷ば広げんでよ。
辛いんだよ……私は……。
「さーくやっ、おはよ!」
そして人の心にすごく敏感な圭都が私にすごく気をつかってくれる。
「……おはよう」
ふにゃって無理やり笑うと圭都が辛そうな顔をするの。
本当に優しいね。
圭都のことを好きになっておけば良かったのかな。
……なんて。
恋なんてしようとしてできるものじゃない。
だってこんなに辛いのに、私はまだレイのことが好きだ。
好きで、好きで、たまらないんだ。
キライになんてなれないんだよ。
また、叶わない想いに逆戻り……。
「サクちゃん痩せた!?」
昼休みになって
真理ちゃんが私に抱きつきながらそう聞いて来る。
痩せた……かな……?
「わからん」
「いや、間違いなく痩せたね。真理毎日サクちゃんに抱きつとるけんわかるんよ!」