涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
ヤケクソでお弁当にがっつく真理ちゃんを見てるとなんだか笑えた。
レイはここのところ毎日のように、遅刻や欠席を繰り返すようになって、女の子ともよく話していることも多い。
圭都も最近はレイと話せていないって言ってたっけ。
レイの瞳から、輝きが消えた気がする。
「麗矢くんっ、これ食べてっ」
女の子たちからお弁当のおかずをもらってにこにこしてるレイ。
はぁ……とため息を吐くと圭都がごそごそとポケットからなにかを取り出した。
「前にさ、約束したやん?」
「え?なんのこと?」
どさっと机の上に出したのは……チョコレート……?
「お菓子、いっぱい持ってきちゃあって言ったやろ?」
花火大会の日、甘いものが好きだって言った私に圭都は「じゃあ今度いっぱい持ってきちゃる」って言ってくれた。
あの時の言葉、覚えててくれたんや……。