涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「ありがとう。でも圭都、これ溶けてる……」


「えっ!?うわ、まじやん!最悪……!オレかっこ悪いわぁ〜っ」



ずっとポケットに入れてたん?

おっちょこちょいな圭都に3人で笑った。


かろうじて形を保っていたチョコをくちに含むと、甘いチョコがくちの中に広がって、すこし幸せな気分。


……なんか元気でたかも。



「ありがとね、圭都」


「いーえっ」



私ね……?

レイと別れれることはないって思ってた。


だけどもし別れてしまったなら、私はきっと傷つきまくって泣き崩れて死んでしまうんじゃないかって考えたことはある。


だけど実際はそれを通り越して……ものすごい喪失感。


世界が色を失くすって、こういうことを言うんやね。


レイ?

私レイに聞きたいことたくさんあるんよ。


病気のこと、

どうして私のこと好きじゃなくなったのかとか。


なにもかも突然すぎたの。


今までずっとうまく行っていたのに、二年生になってたった一週間で、なにもかもが変わった。


浮き彫りになって来たレイの病気、突然の別れ。


だから、私の中で全然レイとの関係がスッキリしてなくて。


あれ以来本当にいっさいの口を聞いていない私たち。


レイが好きだから、苦しいよ。


女の子と楽しそうに話してるレイを見るのも悲しいし、

欠席や遅刻して来たりするレイの本音が聞きたい。


……聞きたい。


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