涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「心臓……あれから発作とかない?大丈夫?」
「平気。発作もないよ。もともと激しい運動しなければ問題ないっちゃん」
「そうなんだ……。じゃあこの前、体育を見学しなかったのは、なんで?」
「……。サクが俺の病気のこと疑ってたから、安心してほしくて」
……え?
レイの言葉にくちびるを噛む。
私のために……?
あの体育で倒れた朝までは確かにレイからの愛情をもらっていた。
なのになんで次の日には気持ちがなくなっただなんて言ったの?
「だけどそれも本当はうざいって思ってた」
「え……?」
うざい?
「なんで疑われんといかんと?俺は大丈夫ってちゃんと言っとるのに泣くし。意味、わからんやった」
レイ……?
「そんな情緒不安定な女とこれから一生付き合って行くとか……正直考えられんくなった」
冷ややかで醒めたようなレイの目が、私を見てる。