涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
レイに嫌われてしまったことが、本当に悲しくて。
レイの理想の彼女になれなかったのが、悔しくて。
もうレイとふたりの思い出をつくることができないと、
レイと寄り添う未来はないんだと思うと、
目の前が真っ暗になった。
絶望感にうちひしがれる。
もうレイとは恋人じゃない。
幼なじみでも、きっとないね。
心がなにかに削がれているような感覚がする。
切なくて、苦しくて、心が震える。
どのくらいここで泣いていたんやろう……?
でもどうしても立ち上がれなくて。
全身に力が入んなくて。
心から、大きな存在が、ぽっかりなくなった。
「咲夜……」
近づいて来る足音。呼ばれた名前。
顔をゆっくりあげると、そこにはなぜか圭都がいた。
「咲夜、大丈夫や?」
目の前にしゃがみこんだ彼が私の顔を覗き込む。
きっと、ヒドイ顔しとる……。