涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「真理はサクちゃんと圭都がくっつけばいいなぁって思っとるよ」


「え?」



ーー放課後。


前まではレイも含めて4人で来ていた太陽のカフェも、3人で来るようになった。


今日は真理ちゃんと2人だけど。



「圭都のこと、好きになりたいとは思うよ」


「じゃあ付き合えばいいやん」


「でも……」


「まだ麗矢のこと好きなん?」



真理ちゃんの言葉に黙ってうなずいた。


……だって、ムリだよ。

10年以上も好きで、永遠だと、思ってた恋なんだよ。


簡単に忘れられないよ。



「付き合ってみて、感情がうまれることやってあるよ?」


「そうかもしれんけど、もし圭都と付き合うならちゃんと好きになってから付き合いたい。だって、大切なひとやから」



中途半端で付き合って傷つけたくない。


もしも付き合うなら、ちゃんと好きになりたい。


私のワガママで振り回してるから。


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