涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「好きだよ」
えっ……?
声を出しそうになって、咄嗟にくちをつぐむ。
「好きやから、離れたっちゃんか」
頭の中にレイの言葉がぐるぐるまわって、言葉の意味はわかるんだけど、理解ができない。
好きやから、離れたって……どういうこと?
「身を引くことが咲夜の幸せやと思っとると?」
「しょうがねーやん、だって……」
次の瞬間、私の頭と心に衝撃が走る。
「俺、もうすぐ死ぬんやから」
サーッと、血の気が引いていく感覚がした。
え……?
レイが、死んじゃう……?
「サクが俺がおらんとダメなことはわかっとる。でも、それじゃいかんとよ」
レイが……?
「サクを傷つけたくない。泣かせたくない。……俺が死んで、俺が慰められんところでなんか、絶対」