涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「レイはサクにとって世界一大切な男の子やけん」
あの公園の出会いから、いっぱい月日が経って、少しずつ大人に近づいて来た私たち。
お互い、いろんなことに悩んで来ていたんやね。
まだまだ大人にはなりきれていない16才だけど、人を好きになるっていう、すごいキセキみたいなことは
こんな私にでも、できる。
「レイはサクと一緒におりたくない?」
「……おりたい」
「レイはサクのこと好かん?」
「……好きに、決まっとる」
素直なレイの頭を撫でる。
この金髪は、レイの叫びみたいやね。
悲鳴のような、髪の色やもん。
「俺……かっこわる……」
「かっこわるいよ。わるすぎるよ」
「ごめんな、サク……。ありがとう……っ」
震えるレイの姿に、微笑んで見せた。
いつも君が私に笑いかけてくれていたように。
安心して?
私は、強くなるよ……!
レイを、支えられるぐらいに。