涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「俺、サクが好きや。めっちゃ好き……っ」
「うん、サクもだよ」
「ごめんな。本当に。結婚するって……言ったのにな」
レイ、死なないで。
レイ、死んじゃやだ。
レイが死んだら、私…ーーーー。
なんて、口が裂けても言えなかった。
「約束守れなくてごめん」
「大丈夫。私は、大丈夫やから」
震えてる手で、レイの頬に触れた。
ゆっくり重なる視線につられるように……私からレイにキスをした。
それは、3ヶ月ぶりの切なくも甘いくちずけでした……。
……そして、その日にレイと約束した。
その日が来るまでは、笑って過ごそうと。
病気のことはできるだけ忘れて、楽しい思い出だけを……。
それが、レイからの唯一のお願いだった。