涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「おはよう」


「レイっ……!?」



次の日の朝、家を出るとそこにはレイが待ってくれていた。


手をポケットに入れたまま口角をあげて、家の塀に体重をあずけるその姿は3ヶ月前となんら変わらない。


あの頃と変わっているのは髪の毛の色ぐらいかな……。



「一緒に行こうや」



差し出されたレイの手に、嬉しくなって。


素直に手を握るんじゃなくて腕に抱きつくように、レイのもとへ飛び込んだ。


よろめくレ身体に「おっとと……!」と、レイがぐっと力を入れる。



「えへへ!うんっ、行こう!」



嬉しくてにやけちゃう。

そんな私を愛しそうに見つめるレイの視線が、好き。


目を細めてね?私のことを見るレイがたまらなく好きっちゃん。


愛が、溢れる。


< 230 / 259 >

この作品をシェア

pagetop