涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


連れて来られた教室は、入ったことがなかった今はもう使われていない教室。


古い教室に浮いたようにあったもの、それは……純白のドレス……?


それからクラスメイトの女の子数人が私を待ち構えていた。


え……?



「いったいどうゆうこと……?」


「今からね、サクちゃんと麗矢の結婚式をしますっ!」



……結婚式!?


聞いた瞬間、いっきにまばたきの仕方を忘れ、驚きと嬉しさで心臓が飛び出そうになった。


結婚式って!どうゆうこと!!?



「結婚する約束、麗矢が果たしたいんやて」



レイが……?



「それを聞いてね?うちら頑張ってこのドレスとか、みんなでデザインしていちから作ったとよ」


「そうそう。時間かかっちゃったけど……」


「私たちで今からサクちゃんのお顔にメイクして、ヘアアレンジして、ドレスアップします!」



ウソやろ……。


みんなの言葉に絶句する。

嬉し過ぎて言葉にできない……。


私のために……みんなが全部用意してくれたん……?



「みんな……っ、ありがとう……っ」


「あ〜サクちゃん泣くのはあとにして。今からお化粧するんやから」



ううう、冷たいよ、真理ちゃん。

こんな時ぐらい泣かせてや……。


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