涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



「わあ、すごい!サクちゃん似合うよっ!」



はじめに真っ白な、まるでお姫様のようなドレスを着て。


腰には大きなリボンがついていた。


手慣れたように真理ちゃんが私にメイクをして、クラスメイトの小枝さんが髪の毛を可愛くまとめてくれた。


どんどんみんなの手によって変わっていく自分の姿を、最後に鏡で見てすごく感動する。



「みんな……ほんとにありがとう……っ」


「やから泣かんでって。せっかく真理がしたメイクが崩れるやろー?」



真理ちゃんはそう言うけど……。


涙が止まんないのは、仕方ない。

だってこんなに嬉しいんやもん。


感謝してもしきれない。



「んじゃ、行くよ!体育館!」



長い手袋をして、ベールをかぶる。


真理ちゃんが先導して、残りのみんながすそを持ち上げてくれた。


本当に手作りなの?と言いたくなるドレスやベールの仕上がりに改めて関心する。


これから、私の結婚式……。


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