涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
体育館の入り口にはスーツをばしっと着こなした叔父さんがいて、驚いた私は思わずすそを持つみんなを忘れて駆け寄った。
「叔父さん!?」
「よお、サク。綺麗やのぉ。お母さんそっくりや」
「……っ……知ってたなら言ってよ……っ」
叔父さんの優しい口調にまた涙腺が刺激される。
……今日家にいる時なにも言わんかったやんかぁ……。
ずるいよ、叔父さん。
「麗矢くんにも会ったよ。圭都くんと真理ちゃんからも全部聞いた。今日は最高の日にしよな」
「うん……っ。美紀さんと流星は?」
「おるよ。中で、みんな待っとる」
……みんな。
体育館の向こうに、みんながいる。
レイも、圭都も。
胸がすこしずつドキドキして来て。
ワクワクしてる……。
「じゃあサクちゃん、真理も中に行くね!」
「……あっ、うん!ありがとう、真理ちゃん!」
真理ちゃんが中に入って、静かになる体育館に緊張感が増した。
叔父さんの腕に自分の腕を絡ませた。