涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
なんの曲かはわからなかったけど教会で流れそうな音楽が流れ出した瞬間、体育館の扉が開く。
「咲夜ちゃーんっ!」
「星野!!おめでとう!!」
みんなの歓声がここまで届く。
クラスのみんな、美紀さん、流星、なぜか東野さんと……
それから、小さい時に会って以来だったレイの両親が並べられたパイプ椅子に座っていた。
広い体育館にしては、わりとこじんまりした配列。
綺麗に飾られた体育館に足を踏み入れるとみんながいっせいに立って拍手をした。
ゆっくり、一歩一歩を踏みしめながら叔父さんと歩く。
みんながキラキラした顔で笑ってて、私たちを祝福してくれているのが伝わって来る。
……嬉しい。
私、すごくすごく、幸せやん……。
「サク」
呼ばれた名前。
敷かれていた赤い絨毯を歩いて行った先にいたレイが私に手を差し伸べながら優しく微笑んでる。
白いタキシード、すごく似合ってる……。
「すごく、綺麗だよ」
隣に並んだ私にレイが言ってくれた。