涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「私は……」
急なことに戸惑いながらも、レイの方を見た。
「……私は、優しく笑うレイが好きです」
いつだって私の隣にいて、笑わせてくれていた君に、幼い時の私は心を奪われたのが私たちの恋のはじまり。
お母さんが再婚することが決まって、この町を出て行かなければならなかった私の唯一の気がかりは手術を控えたレイと離れることでした。
……そしてレイと離れている間、いろんなことがあった。
家庭内暴力のすえの、心中事件。
世界に絶望した私の唯一の光だったレイとの再会も、叶わない恋のはじまりで。
苦しかった。
切なくて、悲しかった。
とことんついてないって思ったよ。
さんざん遠回りして、泣いて苦しんで、圭都と真理ちゃんに背中を押されて、やっと両想いになったよね。
だけど私たちに待っていたのは、残酷な運命でした。
タイムリミットがある私たちの恋。
それでも私は……