涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「次の英語の小テスト、合格せんやったらプリントの課題出るんやろー?」
「えっ、まじ!?」
真理ちゃんとお手洗いに行って教室に戻った時、不意にレイが教室にいないことに気がついた。
キョロキョロする私に「どうしたと?」と声をかける真理ちゃん。
「レイがおらんなーと思って……」
「あ、麗矢なら保健室に行ったよ?」
私たちの会話を聞いていたのか、近くにいた男子が教えてくれた。
……保健室!?
「あ、ちょっ……サクちゃん!?」
考えつく前にかってに身体が走り出していた。
レイっ……!?
大丈夫なのっ……!?
ガラガラッ……バンッ!!
勢いあまって激しくドアを開けてしまった。
でも、今はそんなこと関係なくて。
「レイ!?」
「うお!?びっくりしたー……」
声もかけずにカーテンをシャッと開けて中に入った私の顔をレイがすごく驚いた顔で見てる。