涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。



口の端を無理やり持ち上げて、

君が辛い時こそいつも笑っていたから



……だから、私も。



人差し指を空に向けて、微笑んだ。



「うっ……うわあぁぁっ!」



でもやっぱりダメだ。

レイのおまじない、今日は効きそうにないよ……。


泣き叫ぶように。

滝のように流れてくる涙が私の頬をびしょびしょにした。


レイ……っ。


君は、私の、すべてでした。


いっぱいもらって、いっぱい失くした。

いっぱい泣いて、いっぱい笑った。



レイ……。



君は今、なにを見ていますか?



…君が、
見たがっていた
空の色は見えましたか?



見えてると、いいな。



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