涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「でも……っ」


「支えさせてや。頼む。俺、お前のこと幸せにするってレイに約束した」


「え……?」



圭都が私の手を握る。



「俺が死んだらサクを頼むって言われたとよ。やから絶対にお前を幸せにする……!後悔なんかさせん!咲夜もそのお腹の子どもも、みんな俺が背負って生きる……っ!」



けい、と……?

レイも、いつの間にそんなこと話してたんよ……。


私ばかりが二人に支えられて、バカみたいやんか。



「ばか。圭都ひとりに全部ば背負わせんし……っ」


「…っ……」



ギュッと、握られている手を、握りかえす。



「時間が、かかってもいい……?」


「…っ当たり前たい!俺は気が長い方やから、10年でも、100年でもいくらでも待っちゃあわ!!」



男らしく言ってのけた圭都に目を見開いて……そして笑った。


前にレイに片想いしてた時、圭都なら好きになれそう、好きになりたいって、思ったことあるんよ……。


まだ時間はかかると思うけど、待っててね……。


右手は圭都と手を繋いで、左手でお腹に触れた。


そこにいるの、ママ、わかってるよ。


ありがとうね。

ママのために、お腹に宿ってくれたんかな……?


< 252 / 259 >

この作品をシェア

pagetop