涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「でも……っ」
「支えさせてや。頼む。俺、お前のこと幸せにするってレイに約束した」
「え……?」
圭都が私の手を握る。
「俺が死んだらサクを頼むって言われたとよ。やから絶対にお前を幸せにする……!後悔なんかさせん!咲夜もそのお腹の子どもも、みんな俺が背負って生きる……っ!」
けい、と……?
レイも、いつの間にそんなこと話してたんよ……。
私ばかりが二人に支えられて、バカみたいやんか。
「ばか。圭都ひとりに全部ば背負わせんし……っ」
「…っ……」
ギュッと、握られている手を、握りかえす。
「時間が、かかってもいい……?」
「…っ当たり前たい!俺は気が長い方やから、10年でも、100年でもいくらでも待っちゃあわ!!」
男らしく言ってのけた圭都に目を見開いて……そして笑った。
前にレイに片想いしてた時、圭都なら好きになれそう、好きになりたいって、思ったことあるんよ……。
まだ時間はかかると思うけど、待っててね……。
右手は圭都と手を繋いで、左手でお腹に触れた。
そこにいるの、ママ、わかってるよ。
ありがとうね。
ママのために、お腹に宿ってくれたんかな……?